映画「ドライブ•マイ•カー」を観た。長尺だったけれど全く飽きなかった。
日経新聞夕刊の映画評ほど深い見方は出来ないけれど、映像体験がじわじわと身体に沁みている。
映像が美しい。撮影は四宮秀俊さんとクレジットされている。そして、映画の進行が自然な感じがする。自然に呼吸しているようなリズムというか。編集も上手いのだろう。
役者の演技も概ね自然な感じなので演技をしているようにあまり感じない。「自然な演技」ってなんか妙な言葉だと今ふと気づく。物語の設定がその納得度を高めているせいもあり、主役の棒読み調の演技さえ自然に見えてくる不思議を感じたりもした(けなしてはいない)。
音楽も絶妙なタイミングでさりげなく入ってくる。全体が自然な無理のないハーモニーを奏でているといえばよいのか、心地よく、しかし退屈せずに見続けられた。
赤の「マイ・カー」が、仕事場と宿の間のワインディングロードを往復する映像が、私の好きなキアロスタミ作品を思い出させた。
ホントは息子の自転車だからドライブ・マイサンズ・サイクルか(笑)